先生は,院内向けでしょうけど,‶Doctors as No.1:Lessons for the Hospital”ということをおっしゃっていると聞いたのですが,これはどういうことでしょうか。
寺坂
病院というところでは,医師の数は全職員の1~2割で少数派ですが,病院機能からすれば医師は大黒柱です。すべての医療行為は医師の指示から始まりますし,彼らにはそれだけの資格と能力があります。従ってこの言葉には,医師団に,ぜひ病院にとって一番の存在となり,病院に教えと導きを与えてほしいという私の期待と願望を込めています。そのための仕掛けとして,毎朝10分間の医師のための早朝連絡会で,当直時間帯の出来事の報告から始まり,医療安全情報,院内の最新情報などを伝達しています。これにより今院内では,医師が情報の中心となり,これまでとは逆に医師から職員に最新情報が伝わるという状況にもなっています。まさに医師がNo.1の存在です。この言葉自体は,エズラ・ヴォーゲルの“Japan as No.1:Lessons for America"をもじったものです。