そうですね。それこそ今は3分の1が表在癌,3分の2が進行癌ですけれども,当時,表在癌は非常にまれでした。当時を振り返ると,教室の原簿では20年間で約200例の食道癌が登録されていたのですが,表在癌はわずか4例でした。先生がその4例のDNA 量をはかって論文にまとめられたのをよく覚えています。内視鏡検査の普及というのが早期発見につながって,最近は,ヨード染色に加えて,NBI(Narrow band imaging)と開発されて,非常に小さな早期癌も発見できるようになっています。ただ,依然として進行癌でインオペの症例も少なくないのが残念ですね。